2016年5月5日木曜日

「ポナンザ君、とにかく殴れ」
第26回世界コンピュータ将棋選手権決勝 ponanza VS 技巧

ponanzaの将棋が凄まじかったので、棋譜検討その他諸々やっていきます。
※検討にはapery使用してます。

第26回世界コンピュータ将棋選手権決勝 ponanza VS 技巧

先手:ponanza
後手:技巧

▲7六歩    △3四歩    ▲5八玉    △6二銀    ▲4八銀    △5四歩
▲2六歩    △4四歩    ▲2五歩    △3三角    ▲3六歩    △5三銀
▲3七銀    △3二金    ▲6八玉    △5二金    ▲2六銀    △4三金右
▲3五歩    △同 歩    ▲同 銀    △3四歩    ▲2四歩    △2二銀
▲2三歩成  △同 銀    ▲2四歩    △1四銀    ▲1六歩    △4五歩
▲3三角成  △同 桂    ▲7一角    △5二飛    ▲1五歩    △6四角
▲1四歩    △2八角成  ▲2三歩成  △4二金寄  ▲4四銀打  △5五馬
▲5三角成  △同金上    ▲5五銀    △2八飛    ▲3八銀    △3五歩
▲2七歩    △5五歩    ▲3九金    △2五桂    ▲2八金    △6二玉
▲3一飛    △5六歩    ▲7一角    △7二玉    ▲5三角成  △8六角
▲同 歩    △5七歩成  ▲7八玉    △5一歩    ▲5二馬    △6七と
▲同 玉    △6六銀    ▲同 玉    △6五銀    ▲7七玉    △6六銀
▲同 玉    △5二歩    ▲6一銀    △6二玉    ▲7二飛    △5三玉
▲5二銀成  △4四玉    ▲5五銀
まで81手で先手の勝ち


序盤

















3手目58玉について触れてはいけない。
これの是非を考え出すと、将棋の深淵に飲まれた挙句時間を浪費するだけに終わるので、ポナはこういうものと思うようにするとよいです。
すぐ玉寄ったりしてイミフだしな。





ponanza、棒銀からの速攻
















24歩に14銀と出た局面。
普通はここで26銀と立て直したりとか考えそうなものだけど、ponanzaの指し手は銀取りを放置して16歩。
ここで35歩と取ると、以下15歩45歩33角成同桂14歩55角23歩成28角成32とが一例で、同飛には21角、55馬には34銀!から攻めが続く模様。
28の飛車取りを無視するのが急所で、取られても見た目ほど厳しくない(僕の目には厳しく映るけどw)のでとにかく攻めが続けばよしということなのだろう。
普通は55角の両取りで慌ててそのまま形勢を損ねるものだけどねぇ。

ちなみに戻って14銀と出ずに12銀も有力なようで、以下26銀24角25銀33角となってどうか。先手一歩損だが棒銀が威張っていて、後手も妙な凝り形をこれ以上ほぐすことができない。
評価値は先手+100点程度で互角ライン。



ponanza、飛車取り放置でやりたい放題
















64角に14歩と銀を取った局面。
さすがに無茶でしょ〜w、と言いたくなる所だが、以下28角成に23歩成と進み、同金は守りの金が離れてしまい44銀打で攻めが止まらない。先ほどの検討順にも出てきたが、28の飛車を取らせてもいいから攻め続けるのが肝要らしい。

技巧は42金寄としたが、それでも44銀打からponanzaはゴリ押しの攻めを猛プッシュしてくる。
次の55馬は一見奇異に映るが、平凡に64馬としても43銀成と金を取って44金と打っていけば、攻めは繋がるらしい(同金同銀62銀打53銀成同馬62角成同玉33と、などが一例。他にも有力な手段が多く、若干先手有利な印象)。
後手は中央付近で清算した後の形が悪く、33とが次に後手の大駒を責める手を見ており非常に味が悪い。
ちなみに、28飛と降ろしても58金右と受けておいて、すぐに寄る形ではない。



ponanza、一転して冷静な指し回し

















局面が進み、技巧が35歩と銀を取った手に対してponanzaが冷静に27歩と打った局面。
これで次の飛車取りがどうやっても受からなくなり、形勢に差がついてしまった感じ。
色々駒が当たっており判断が難しいが、技巧は銀を取らずに23飛成と粘りに行くべきだったか。

それにしても、殴るだけ殴っといて自玉を安泰にするponanzaの指し回しは見事という他ない。
以降は順当にponanzaが寄せていった感じ。(技巧にも判断ミスがあり、まだ長そうだったが一気に決着がついてしまった。持ち時間に差がついていたのかもしれない。)


まとめ

今回はponanzaの攻めが炸裂して、技巧にとっては不本意な一局となってしまった(割と短手数で決着した)が、持ち時間の長い将棋ならまた違った展開になったんじゃないかなー、局面の均衡が続いたんではないかなーと思う。2次予選では技巧が勝ってるしね。
選手権は10分+一手指すごとに10秒追加というルールなので、持ち時間が短いんですよね。
ソフト同士でプロ棋戦、せめて早指し棋戦程度の対局の場設けて!エライ人!

にしても、棋界最高峰の将棋が棒銀というのもまた凄いですよね。。。
僕もこれからは棒銀採用していきます

2016年5月4日水曜日

ステミキ不要!?OBSとPeercastStationで情強flv配信

ようやく新PC(SurfacePro4)でPeercast配信が可能な環境を整えることができたので、概要をメモしときます。

基本的には、
Open Broadcaster Software (OBS)…動画のライブエンコード
PeerCastStation…ストリーミング機能、ピアキャス配信設定など
の2ツールのみで配信可能。構成要素少ないとシンプルで良いよね。



事の発端

元々使っていたノートPCと同様のツール類を入れてしまえば、とりあえず同じように配信を行う環境作りは可能だったんです。
ですが、そのためにはステレオミックス機能を利用するために外部のオーディオデバイスをUSB接続する必要があり、「タブレットPCにそれはスマートじゃないよなあ〜」と思ってしまい、どうにか改善できないかと模索し始めたのがきっかけです(マイクの入力音量がおおきくなるとかメリットはあるんだけどね)。
結果的にツール類ほぼ全とっかえみたいな感じになっちゃいましたが。


仮想ステミキとかいう情弱手法

当初は代替手段として上のような事を考えてました。
ですが調べていく内、「オーディオドライバを更新したらええんやない!?」的記事を見つけてしまったので試してみることに。














結果的にはまあ無駄骨だったわけですが(おそらくハードウェアがサポートしてない)、更に色々調べていく内に、そもそもVista以降はOS標準でPC内の音源を録音する機能が用意されている(Windows Core Audioというらしい)との事実を知ってしまったため、話が徐々におかしい方向に。

XPまではステミキあったのに〜、みたいな話は結構聞きますがそれもそのはずで、OSで代替機能有してるからステレオミキサーはもう過去のもの、サポートなんてしないよ、ってことなんですね。

これを知ってしまったtr氏、何か触れてはいけないスイッチ(情強アンテナと呼ぶ)が入ってしまったらしく、
「君遅れてるね(笑)まだステレオミックスで消耗してるの?」
などとマイクロソフトから煽られている気がしてならなかったため、意地でも仮想ステミキを入れない方針に。
配信頻度ゴミの視聴数10~20ぐらいの弱小配信者なのにな。



前提として

・Windows Core Audio対応のアプリでないとPC音をミックスできない。なのでWME等の古いツールは無理(wmv形式のエンコーダーで対応しているものはなさげ?情報求む)
・その中だとOBSが無料で動作安定多機能で良いよ!でもflvエンコードだよ!従来のプロトコルでは配信難しいからサーバ機能有した別ツール併用しないとだよ!
・最近のPeercastStationだとrtmpプロトコルに対応してるから簡単にflv配信できるよ!

ということらしく、視聴のためにIM版入れたばかりだったけどペカステ入れ直した。なんかちょっと悔しかった。
ちなみにOBSとペカステの設定はGUIに沿って進めていけばあまりつまずく所はないかと思います。困ったらペカステのreadme読むなり、下記URLを参考にするなりで。
配信開始する時は、ペカステで配信開始→OBSで配信開始の順でOK。
あと、spで配信する時はジャンルに「sp」って入れないとチャンネル乗らないからそこだけ注意な!


※参考URL
http://pecardy.vanu.jp/?%C0%DF%C4%EA%2FFLV%C7%DB%BF%AE#bdfdecd8
http://fukure.sakura.ne.jp/wordpress/archives/1105
http://gae.cavelis.net/howto/#!encoder_obs



あんまり関係ない話

ニコ生やYouTube Liveやツイキャスなどなど、複数のライブ配信サービスが世に出回っている中で冷静にpeercast配信を鑑みると、リアルタイムに視聴者とやり取りをするために掲示板使うのって冗長じゃない?と思うようになった。
というかレスを画面に表示するためにわざわざニコキャス入れるのが面倒だったのもあってw外部チャットを利用してみることにした。
ストックとしての役割は果たさないけど、個人的にはあまり不便はなさそうな感じ。

今のところは掲示板でいう、IDなしレスはできないチャットを使っているけども、多分調べればそれっぽいサービスはありそう。後々模索するかもしれない。



まとめ

なんだかんだピアキャスで配信するまでの用意が面倒だった。
まあ、他配信サイトは企業がライブ配信を行うための機能一式を提供してくれているおかげで、視聴側も配信側も煩わしい一切を省略出来ているということなので、そこをピアキャスと比較しても仕方ない。

開発やらYP運営やら情報提供諸々を、有志が行っている上で成り立っているのがPeercastというわけですので。


所感

・html形式ではなくGUIで配信設定できるPeercastStationは神。さらにrtmpプロトコルに対応してるのも神。作者に感謝。

・ステレオミキサーと違って、自分の声を聞かなくて済むのは良いかもしれない。

・マイクの入力音量が小さいらしい。

・以前は、Peercast, WME, SCFH DSF, ペカスターター, ニコキャス+配信用掲示板, USBオーディオデバイス, +α, と、構成が冗長感あったのでそれを改善できたのは○。
マイクミュートのショートカット割り当てもOBSが有している(前は専用ツール入れてた)。

・ディスプレイもう一つないとOBSのソース機能(複数画面取り込み)を上手く活用するのは難しいので、Surfaceの高解像度があんまり役立ってない(結局諸々を目視可能なサイズにする必要がある)、むしろOBSや24などのレイアウトに悪影響出てる。

・そもそもソース機能を使えてない(誰か正しい使い方教えて!)。

・基本配信中はタッチペンとtypeカバーキーボード操作なのだけど、テキストにペンでタッチすると毎回タッチスクリーンが出てきて邪魔。管理画面から機能停止しかOFFる手段がないらしく配信外との切り替えが面倒(マイクロソフトはさっさと専用のGUI用意しろ)。


タッチスクリーン邪魔
OBSのボタン色々おかしい
24アプリのサイズがもはやギャグ